私は、今日。ちゃんとおじさんになった。
もちろんなりたいわけではないが、なったようだ。
自分の評価というのは他者からの評価である。自己愛がどれだけの物であろうが、この事実は社会の中で生活する人間にとっては間違いないのだ。
私を野生児だと嘲笑する紳士淑女の皆様。私のような人間も人権を認められて税金も納めているのだ。その事実を持って私は厳密に言えば野生児ではないのだ。
おじさんになったようだ。と言ったのは、やはり他者からの評価を受けたということだ。
仕事を終え、小腹が空いたので近くのドラッグストアでお菓子でも買おうと入店した。
私はきのこの山が大好きだ。念の為に記載しておくが、それは、野生児だからではない。
ドラッグストアなどのディスカウントストアでは、通常200円ほどするきのこの山が半額の100円ほどで手に入る。それを買い溜めしておこうと1ケースカゴに入れた。
するとそれを見ていた少女。小学校低学年くらいだろうか。あろうことか私を指差し言い放った。
「おじさんが、お菓子めちゃくちゃ買ってる!」
一体何が不思議なのだ。大人とはそういうものだ。
少女は真っ直ぐな目で私をおじさんと言った。
私はおじさんになった。
確かに仕事の日の私は、寝起きのままの髪の毛で服も作業着で仕事がら薄汚れている。
ただ、普段は身なりには気を遣っている方だ。
私は少女にそのことを弁解したかった。しかし社会生活を送り、税金も納める文化人の私は、おじさんが少女に話掛けることがタブーであることは至極当然心得ている。
これまで私自身おじさんになった自覚はあった。
しかし、他人からおじさんと呼ばれたのは初めてだった。
少女の見上げた目線に映る私は。きのこを貪る野生児だったのか。野生児というか、野生のおじさんだったと考える方が自然だろうか。
お腹を空かして畑に現れて農作物を荒らす、猪や鹿、カラスなどの有害鳥獣のように。
少女にとっては、お菓子という作物を収穫するドラッグストアという畑に。
仕事を終え、お腹を空かした大きな普段見ない獣が現れて、きのこを大量に奪い去っていくその姿は珍妙にして滑稽だったのだろう。
私はおじさんになった。
他者からの評価が自分の評価である。
どうかそのことを忘れないで欲しい。
私のブログを読んだ聡明な男性諸君。に伝えたい。
私達は皆おじさんだ。どう見ても。
と私からの勝手な評価をプレゼントし、当記事の締めくくりとさせていただきたい。
それでは皆様。お手を拝借。