rk_southsideの日記

絶叫Z世代

やきとりの名門 秋吉

愛媛で美味しい焼鳥屋さんは?と聞かれると迷わずに私は、秋吉。と答える。

 

日本で108店舗展開している焼鳥チェーン

やきとりの名門 秋吉。

チェーン店と言うだけで何故か店の評価を下げる変態は多い。彼らは総じて男性経験の少ない女性を好み、女性の言う「こんなの初めて」に踊らされているに違いない。そんな彼等の批判は馬耳東風と聞き流して頂きたい。

 

私が秋吉の悪魔的な魅力に取り憑かれたのは12年前だ。未だに秋吉には月に3.4回通っている。

私は母子家庭で育ち。年に2.3回は父と遊びに出掛けることがあった。

その際父は何か食べたいものを言えばどこにでも連れて行ってくれた。私はいつも回転寿司希望だったが、中学生になり焼いたネギの旨さを知った。その頃から焼鳥のねぎまを食べてみたく父に焼鳥屋さんに行きたいと伝えた。

父には松山で名の知れた焼鳥屋に何軒か連れて行ってもらった。その中でも秋吉は頭3つほど飛び抜けて美味しかった。

ねぎまが美味いのは当たり前だ。串カツは何故かその辺の串カツ専門店よりも美味い。

これが秋吉にハマるきっかけだった。それからは毎回父に秋吉に連れて行ってもらった。

 

その後自分でお金を稼ぐようになり、自分のお金で秋吉の暖簾をくぐる。

「いらっしゃいませ!社長!お嬢さん!」

相変わらず活気のある店内で心地よいカジュアルさだ。

私は20~40名で行くことが多いがカウンターに通される。

今まであまり注文したことのなかった[純けい]を頼んだ。カウンターからスタッフが汗だくで純けいを焼いているのが見える。

400℃の炎で焼き上がる。表面はまだ脂が音をたてて暴れている。脂が炭火で焼けた香りが鼻腔を刺激する。見た目は普通の鶏肉だ。

猫舌だが、熱々の純けいを一口で頬張る。

頭が吹っ飛んだ。

 

 

 

数秒間の沈黙の後、私の頭はこの純けいを脳幹の奥で味わった。噛んだ刹那、真夏の制汗剤のCM級の爽快感さえ感じるほどに旨味が弾け飛んだ。しかも噛んだ瞬間だけなんてケチなことはしない。噛むごとに溢れ出してくる。

自分の唾液で手指の殺菌が可能なほどだ。

私はこんなの初めて!と言っただろう。

 

これが私の秋吉の2番目の衝撃だった。こんな美味いメニューを隠していただなんて。

とはいえメニューの1番頭に載っているのに、聞いたことの無い名前だったから私が注文しなかっただけなのだが。

 

それからお酒の味も覚え、ビールと焼鳥というオノヨーコとジョンレノン級の最強のマリアージュを楽しんだ。

友達と飲み。恋人と飲み。同僚と飲み。いつも彼等は「どこ行く?」と聞いてくる。

愚問だ。私は秋吉以外答えないことは彼等も知っているはず。みんな秋吉に行きたいのだろう。

彼等の「どこ行く?」は「秋吉でしょ?」と同義だと思っている。

 

そんな私も秋吉しか知らないで焼鳥を語っているわけでは無いことはご理解頂きたい。

松山には美味い焼鳥屋さんはたくさんある。名の知れた焼鳥屋、高級な焼鳥も一通り足を運んでいる。

その中でも最後に辿り着くのは秋吉なのだ。

美味い焼鳥はたくさんある。しかしこの純けいを超える焼鳥というのは私は食べたことがない。

例えるなら第二次世界大戦終戦直後のアメリカ。世界で一国だけが核爆弾を所有している状況だ。

旨さの核兵器。それが、やきとりの名門 秋吉の誇る純けいなのだ。

 

この超弩級の旨味の核爆発を経験したことのない人には是非食べて欲しい。

お勧めの焼鳥屋さんは。やきとりの名門秋吉だ。

この純けいを超える焼鳥があれば是非教えて頂きたい。私の人生は360度回転するだろう。