rk_southsideの日記

絶叫Z世代

キャンプブームの終わりとこれからのキャンプスタイル

第三次キャンプブームがついに終焉を迎えた。

そう感じたのはキャンプメーカーの在庫処理の動きが活発になってきたからだ。

スノーピーク、コールマンなどの大手メーカーが軒並みセールを行っている。

巷にキャンプギアが溢れかえってしまったからだ。まるで恋愛市場における男のように。ワゴンセール。

 

例年5月のGW前はキャンプ用品の売れ行きが絶頂を迎えるそうなのだが、今年は去年の売り上げの半分だったとか。これはパピコの半分このようににこやかにはいかない。

去年までは欲しいキャンプ用品なんてものは血眼になって探しても手に入らない状況だったが、久しぶりにその製品をオンラインショップで探すと在庫が残っていた。去年なら即買いしていただろうギアでも希少価値を感じなくなった自分が悲しかった。

おしゃれキャンプの例 https://www.instagram.com/kazsh/より引用

 

キャンプブームが終わり活気が失われるのは少し寂しくもあるが、キャンプが今でも好きな人にとっては欣喜雀躍の知らせだろう。

やっと従来のキャンプの楽しみ方をできるようになったからだ。

ここ3年ほどで隆盛したInstagram向けのおしゃれキャンプ、レアなギアを陳列するおしゃれキャンプはこれから下火になる。

理由はブームが終わったことで、プレイヤーではない憧れ層がInstagramのキャンプ投稿から離れるからだ。

観客のいない見せ物は成り立たないのだ。

もう中学生の無観客ライブのようにはいかない。

 

2〜4人用の小さなテントに銀マットを敷いて、ミカン箱に道具を詰めて昼白色のLEDライトでカップラーメンを食べるキャンプ。従来のキャンプとはこんなもんだった。

キャンプブームが終わったと言ったが、まだ私達消費者側全体にブームの終わりが訪れるのは来年くらいになりそうだ。

 

私もキャンプをかれこれ6年ほど前からやっている。全体的に見ればまだ初心者だが、ここ3,4年で現れたおしゃれキャンパーと同じ物としてカテゴライズされるのは複雑な気持ちだ。

フィールドが同じだけで目的は全く違うのだ。

もちろん様々な楽しみ方を否定するわけではない。

私もおしゃれキャンプに今でも憧れはあるし、いいところは取り入れたりもする。

他の従来型のキャンパーもおしゃれキャンパーには足を向けて寝ることはできない。

おしゃれキャンプブームによってキャンプ全体のマーケットが拡大したことにより、キャンプギアもめまぐるしい進化を遂げた。

圧倒的なデザインと実用性の両立。それらの低価格化。楽しみ方の多様化。これらの恩恵はこれからも享受し続けることだろう。

 

ではこれからキャンプ業界、私たちのキャンプの楽しみ方はどう変化していくのだろうか。

ド素人の私の憶測にすぎないが、キャンプブームに台頭したガレージブランドや低価格帯のキャンプブランドは一斉に姿を消すだろう。その中でももちろん一部の人気ブランドは残るが、ほんの一握りといった具合になりそうだ。

これまでほどの多様なアイテムの選択肢は無くなる代わりに、うんざりするような選択肢の多さからは解放されるだろう。

キャンプブームにキャンプを始めようとした人にはアイテムの多さに頭を抱えたコダックの様になっていた。

キャンプ場も大量に作られたが、それらも半数以上はすぐに廃業するのではないだろうか。

 

これからのキャンプのトレンドとして強く感じるのは【キャンプ×他のアクティビティ】だ。特に釣りをキャンプ業界が推しているのは肌で感じ取れるほどだ。

私自身もキャンプを単体で行うことはあまりなく、釣りをするためにキャンプをしたり。SUPやカヤックをしながらキャンプをしたり、登山するためにキャンプをしたりなどが多い。

もちろんキャンプをするだけでも楽しいのだが、ギアをコレクションとして楽しむおしゃれキャンプが衰退し、単純に自然の中で生活をすることを楽しむキャンプが多数派になるとすれば。多くの人はその野外での生活をさらに楽しい経験にしようと考えるだろう。

その生活を楽しくするためのものとして、釣りや、ウォータースポーツが注目されるのではないだろうか。

従来からそのように楽しんでいる人はたくさんいたのだが、あまりにもおしゃれキャンプがInstagramアルゴリズムと相性が良すぎるあまりに初心者の人に届く情報はそれらのみになってしまっていた。

そもそもおしゃれキャンプは死ぬほどお金がかかる。お金持ちに許された特権だ。

インスタグラマーとして活躍されている方のおしゃれなキャンプの写真を投稿するには安くても100万円近くはかかるのだ。

おしゃれキャンプは見るは法楽くらいに思っていた方がいいのだ。

 

それらおしゃれキャンプのカウンターカルチャーのようにキャンプをしながら何かをする。というスタイルが定番化しそうだ。そうなればまた、カヤックだったり登山用具の低価格化等が進み、初心者が始めやすい空気感になるのではないだろうか。

キャンプブームは終わったが、キャンプのこれからを悲観することは恐れるに足りないのだ。

私はこれまでのブーム以上にキャンプを含むアウトドアアクティビティ文化の始まりだと思っている。